はじめに

Amazon Now の配達に使える乗り物は電動アシスト自転車原付一種(50cc以下)・原付二種(50cc超125cc以下)の3種類です。

この記事は乗り物選びシリーズの第1回です。登録前に「どれを選ぶべきか」を比較表とシナリオ別のおすすめで整理します。初期費用・月額維持費の詳細は第2回(ランニングコスト)、保険の選び方は第3回(保険ガイド)で順次公開予定です。

車種ごとの登録要件・レンタル比較は電動アシスト自転車ガイド、原付の免許・書類・駐輪ルールは原付バイク配達ガイドをあわせてご覧ください。

最重要: Amazon Flex では登録後に車両タイプを変更できません。自転車と原付の切り替えもできません。登録前にこの記事で方向性を決めてから進みましょう。


結論:あなたに合う乗り物

こんな人おすすめ
まず試したい・副業電動アシスト自転車(16Ah級)
1日6ブロック以上だが原付は避けたい電動アシスト自転車(16Ah+予備バッテリー想定)
週5日以上・1日に6ブロック以上稼働したい原付二種(PCX125・リード125など)
自宅が都心のステーションから遠い(片道5km以上)原付二種(通勤距離の負担が大きい場合)
すでに50cc原付を持っているそのまま使えるが、新規購入は非推奨
これから免許を取る原付免許より小型限定二輪免許+原付二種が合理的

Amazon Now では報酬単価に車両別の差はありません。選び方の軸になるのは、移動のしやすさ・初期費用・維持費・ステーションの駐輪ルールです。

ブロックは1本30〜45分、1日の稼働上限は最大10ブロック(400分)です。この記事では、3ブロック以上を「そこそこ稼働」、6ブロック以上(約4時間相当)を「長時間・本格稼働」と呼び分けています。


3車種の比較

一覧表

項目電動アシスト自転車原付一種(50cc)原付二種(125cc)
初期費用(車両)新車 13〜16万円 / 中古 6〜10万円中古のみ 5〜30万円(高騰中)新車 34〜38万円 / 中古 10〜30万円台
免許不要原付免許・普通免許のいずれか小型限定二輪免許以上
免許取得費用0円約8,000円(最短1日)約7〜11万円(教習所)
法定速度ペダルアシスト24km/h上限30km/h制限60km/h(一般道路)
二段階右折必要(自転車と同じ)必要不要(交差点中央から右折可)
年間維持費の目安約3〜5万円約8〜12万円約10〜14万円
レンタル(赤チャリ・LUUP等)不可(原則)不可(原則)
配送半径約2〜3km拡大の可能性あり拡大の可能性あり
始めやすさ◎ 手軽△ 車両の入手が難しい△ 免許・初期費用の負担が大きい
将来性✕ 生産終了

維持費・保険の内訳はシリーズ第2回・第3回(公開予定)で詳しく解説します。

電動アシスト自転車は道路交通法上自転車に分類されます。右折は原付一種と同様に二段階右折が原則です(道路交通法第34条第3項)。原付二種だけが、この義務の対象外で交差点の中央から右折できます。

Amazon Now での報酬について

他社のフードデリバリーでは車種によって1件あたりの単価に差が出ることがありますが、Amazon Now のブロック報酬は車両で変わりません。単価は時間帯(通常・昼ピーク・夜ピーク)で決まります。

車両選びで変わるのは、主に次のような使い勝手です。

  • 原付:配送半径が広がる可能性があり、坂道・雨天でも体力を消耗しにくく、1日に6ブロック以上を重ねやすい
  • 自転車:初期費用が安く、都心では駐輪しやすく、レンタルなら即日始められる。1日6ブロック以上でも予備バッテリーを用意すれば回せるが、走行距離と体力の負担は大きい

目安は収入シミュレーターで確認できます。


電動アシスト自転車

向いている人

  • 配達をまず試してから続けるか判断したい
  • 副業で週末や夜だけ稼働する
  • 1日6ブロック以上で稼働するが、維持費を抑えたい・運動も兼ねたい
  • 免許取得の時間・費用をかけたくない
  • 初期投資を13〜16万円(またはレンタル)に抑えたい

苦労が増えるケース

  • 1日に6ブロック以上を回すが、予備バッテリーの持参や充電管理を面倒に感じる
  • 体力面で長距離のペダル走行が厳しい

選ぶときの最低条件

配達用途では16Ah級のバッテリーが実質的な最低条件です。カタログ値は1回の充電で70〜100km級ですが、荷物を積んで坂道や信号の多い市街地を走ると、実際の走行距離は40〜50km程度まで落ちます。1日に3ブロック以上稼働するなら、出発前の充電とバッテリー残量の管理が欠かせません。

  • TSマーク・BAAマーク付きの正規品を選ぶ(基準不適合品は原付扱いになり、無免許・無保険のリスクがある)
  • フル電動(スロットル付き)は Amazon Now の自転車登録では不可

1日6ブロック以上で自転車を使う場合

電動アシスト自転車は副業向けと書かれることが多いですが、実際には1日6ブロック以上を重ねて稼働する配達パートナーも少なくありません。ガソリン代や保険料を抑えたい、運動も兼ねたいといった理由で、原付に乗らず自転車を主戦力にしている方もいます。

フルタイムに近い稼働(6ブロック以上)では、走行距離の想定を大きく上げて考える必要があります。

項目目安
1日の走行距離(Amazon Nowのみ)配達+自宅⇔ステーションの往復50km超は珍しくない。住居によっては片道10km前後の通勤もある
1日の走行距離(複数社掛け持ち)Amazon Nowに加えUber Eatsなども回すと100km超になりやすい
16Ahバッテリー1個実稼働40〜50kmが上限のため、1日通しでは足りないことが多い
予備バッテリーブロックの合間に切り替えて使うのが一般的。純正16Ahは約4〜5万円の追加投資
重量予備1個で2.5kg以上。バッグやカゴとの積載バランスも要検討
充電ステーション周辺に充電できる場所はほとんどない。出発前に2本とも満充電しておく運用が前提

走行距離の目安は、ステーションから2〜3km圏内の配達距離だけではありません。Amazon Now のステーションは執筆時点(2026年7月)では都心部に集中しており(渋谷・品川・南青山・新橋・三軒茶屋など)、自宅が23区の外側や郊外にあると、1日の最初と最後に長い通勤が発生します。原付二種を選ぶ理由のひとつに、この通勤距離があるケースも少なくありません。最寄りステーションはステーション一覧で確認してください。

100km超になるのは、Amazon Now だけでなくUber Eatsなど他社と掛け持ちしている場合も多いです。複数プラットフォームを回す予定なら、バッテリー本数だけでなく、原付の方が現実的かどうかも早めに検討した方がよいでしょう。

車両(13〜16万円)に予備バッテリー(4〜5万円)を足すと、初期投資は17〜21万円前後になります。原付二種ほどではありませんが、原付一種の中古相場と同等かそれ以上になることもあります。日々の体力負担は残りますが、免許・ガソリン・任意保険が不要なぶん、継続コストは抑えやすい選択です。

予備バッテリーの持参や充電のコツは初日ガイドにもまとめています。

詳細は電動アシスト自転車ガイド、日常のメンテナンスは電動アシスト自転車メンテナンスガイドを参照してください。


原付二種(125cc)

向いている人

  • 週5日以上、または1日に6ブロック以上稼働する予定
  • 自宅から最寄りステーションまでが遠い(片道5〜10km以上)。都心にステーションが集中している現状では、郊外・外側の区に住むほどこの条件に当てはまりやすい
  • すでに二輪免許を持っている、または取得する予定がある
  • 30km/h制限がなく、二段階右折も不要で走行効率を上げたい
  • 初期投資(車両+免許で40万円超)を数ヶ月で回収できる稼働量が見込める

向いていない人

  • まず1〜2ヶ月試してから判断したい(登録後は変更不可のため、試すなら先に自転車で登録する方が安全)
  • 免許取得に時間をかけられない
  • ステーションに敷地内の駐車スペースがない(原付二種は近隣の有料駐輪場が必要なケースあり)

定番車種

モデル価格帯(新車)特徴
ホンダ PCX125約38万円定番。燃費・快適性のバランスが良い
ホンダ リード125約34万円積載性が高く配達向き
ヤマハ シグナスX / アドレス12530万円台中古市場の選択肢が豊富

原付二種の免許・書類・駐輪ルールは原付バイク配達ガイドにまとめています。


原付一種(50cc):新規参入は非推奨

2025年11月の新排ガス規制を受け、国内メーカー各社は2025年10月末で50cc原付一種の生産を終了しました。スーパーカブ50の Final Edition も受注生産で終了済みです。

問題点内容
新車が買えない今後は中古のみ。在庫も枯渇傾向
中古価格の高騰市場平均が新車価格を上回る局面も報道されている
走行効率30km/h制限。自転車と同様に二段階右折が必要
保険コスト原付二種と保険料はほぼ同額なのに、走行効率だけ劣る

すでに50cc原付を持っている場合は、普通自動車免許または原付免許があればそのまま登録して稼働できます。ただしこれから車両や免許を新たに用意するなら、原付二種を選ぶ方が合理的です。


レンタル vs 購入

電動アシスト自転車

レンタル(シェアサイクル)購入
初期費用低い(都度課金)13〜16万円(新車)
すぐ始められる△(納車・到着まで待つ)
長時間の稼働コストが高くなりやすい1日3ブロック以上向き
バッテリー残量にばらつき自分で管理できる
配達バッグ別途用意別途用意

レンタルが向いている人:まず1〜2週間試したい、初期費用を抑えたい、メンテナンスの手間を省きたい

購入が向いている人:週3日以上稼働する、1日に3ブロック以上稼働する、自分に合った車体・バッテリー容量を選びたい。1日6ブロック以上なら予備バッテリーも見込んでおく

レンタルサービスの料金比較は電動アシスト自転車ガイドの「レンタルサービス比較」を参照してください。

原付(一種・二種)

Amazon Now で公式に案内されているレンタルは電動アシスト自転車のみです。原付は自分の車両を購入して登録するのが原則です。登録時に自賠責保険証明書と任意保険証券の提出が必要です。


状況別の選び方

ケース1:まず副業で試したい

  1. 電動アシスト自転車で Amazon Flex に登録する
  2. レンタル(赤チャリ・LUUP等)で1〜2週間試すか、中古の16Ahモデルを購入する
  3. 週3日以上・1日2ブロック以上が安定したら、本格稼働を検討する

登録後は車両を変更できないため、まず試す段階では自転車を選ぶのが安全です。

ケース2:最初から本格的に稼働したい

  1. 小型限定二輪免許(AT限定)を取得する
  2. 原付二種(PCX125・リード125など)を購入する
  3. 業務対応の任意保険に加入してから登録する

自宅が都心のステーションから遠い場合(片道5km以上)、または他社と掛け持ちする予定がある場合は、特に原付二種のメリットが大きくなります。初期投資は40万円を超えますが、1日に6ブロック以上を重ねられる効率と、通勤・体力面の負担が軽い点が大きなメリットです。免許・保険の準備は原付バイク配達ガイドを参照してください。保険の詳細はシリーズ第3回(公開予定)で解説します。

ケース3:普通自動車免許しかない

  • 原付一種なら、そのまま登録できます(50cc以下の車両が必要)
  • ただし50ccの新車は生産終了済みで、中古市場は価格が高騰しています
  • 原付二種に乗りたい場合は、先に小型限定二輪免許を取得する必要があります

ケース4:1日6ブロック以上だが自転車で続けたい

  1. 電動アシスト自転車(16Ah級)を購入する
  2. 6ブロック以上の稼働が続く見込みなら、予備バッテリー(純正16Ahで約4〜5万円)も早めに用意する
  3. 出発前に2本とも満充電。ブロックの合間に切り替える運用を習慣にする

維持費の節約や運動を兼ねる選択として十分あり得ます。ただし自宅からステーションまでの往復を含めると1日50km超になりやすく、他社と掛け持ちすれば100km超も珍しくありません。予備バッテリー2.5kg以上の積載と体力面の負担は覚悟しておきましょう。のちに原付二種へ乗り換えたくなっても、登録後は車両タイプを変更できない点はあらかじめ押さえておいてください。

原付二種を選ぶ目安

次のいずれかに当てはまるなら、原付二種への投資を検討する価値があります。

  • 週5日以上、または1日6ブロック以上の稼働が見込める
  • 自宅からステーションまで片道5km以上。都心に拠点が集中しているため、住む場所によっては毎回の通勤だけで10〜20kmになる
  • Amazon Now に加え、Uber Eatsなど他社も掛け持ちする予定がある(1日100km超になりやすい)
  • 複数のステーションや郊外エリアも回る予定がある
  • 体力面で自転車の長時間走行が厳しい
  • 初期投資40万円超を6ヶ月以内に回収できる見込みがある

当てはまらない場合は、自転車で始めるか、ケース4のように予備バッテリー付きで自転車を続ける方がリスクを抑えられます。


登録前チェックリスト

登録ボタンを押す前に、以下を確認してください。

  • 選んだ車両で今後も継続して稼働する見込みがある
  • 車両区分に対応した免許を持っている(原付の場合)
  • 原付の場合、自賠責+業務対応の任意保険に加入済み(または加入予定)
  • 稼働予定ステーションの駐輪・駐車ルールを確認した(ステーション一覧
  • 自宅から最寄りステーションまでの距離を確認した(片道5km以上なら原付の検討余地あり)
  • 配達バッグ(内寸 44×35×40cm / 40L以上)を用意した
  • ヘルメットを用意した

登録フローは登録条件・始め方、チェックイン当日の確認事項はチェックイン前の確認事項を参照してください。


このシリーズの続き

テーマ内容
第1回(この記事)乗り物選び3車種の比較・シナリオ別おすすめ
第2回(公開予定)ランニングコスト初期費用・月額/年間維持費・DIY vs ショップ整備
第3回(公開予定)保険ガイド業務使用の落とし穴・車種別の年間保険コスト

まとめ

  • Amazon Now で選べるのは電動アシスト自転車・原付一種・原付二種の3種類
  • 登録後に車両タイプは変更できない。試すなら自転車、本格化なら原付二種
  • 報酬単価に車両別の差はない。選び方は効率・初期費用・維持費・駐輪ルールで決める
  • 50cc原付の新規購入は非推奨(生産終了・中古高騰・走行効率の制約)
  • 自転車はレンタルで即日始められる。1日6ブロック以上なら予備バッテリー(約4〜5万円)の追加も検討。原付は自分の車両+保険が必要

車種を決めたら、電動アシスト自転車ガイドまたは原付バイク配達ガイドで登録要件を確認し、初日準備チェックリストに進みましょう。


関連ページ